関節リウマチ
関節リウマチって?
関節リウマチ(以下「リウマチ」)は全身の炎症性自己免疫疾患ですが、主に手足の関節が侵される病気です。
リウマチによる関節の炎症を放置していると、関節が変形したり固まったりして骨や軟骨が壊れてしまいます。
残念ながら原因が不明なため確たる治療の決め手がなく、一生この病気との付き合いを余儀なくされます。
しかし最近では、治療薬も格段に進歩していますので、治療効果をあげるためにも早期診断・早期治療が重要です。
関節リウマチの治療の基本は、病気の進行を抑えることと、痛みをとることです。
痛みというのは関節リウマチの場合、炎症による痛み、増殖した滑膜による痛み、関節が破壊された痛み、の3種類があります。
それぞれの痛みにあわせて、薬物療法、手術療法、リハビリテーション(リハビリ)を用いた治療が行われます。
早期リウマチ性疾患は、これらの症状が軽く、診断することが難しい場合があります。
当院では、肉眼ではわからない関節の軽微な腫れがわかる最新の超音波検査機を導入し、リウマチの早期診断に努めております。リウマチ性疾患は、早期に発見することにより、内服薬、または点滴や注射を使用する治療で、リウマチの症状はほぼ抑えられ、関節の変形を防ぐことが可能な時代になっています。
関節リウマチの痛みのうち、炎症による痛みと、増殖した滑膜による痛みを抑えるには、基本的に薬物療法を行います。
現在の薬物療法の中心的な薬剤には、抗リウマチ薬(DMARD)、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAID)、そして副腎皮質ホルモン薬(ステロイド)などがあります。
さらに最近では、生物学的製剤やJAK阻害薬と呼ばれる薬剤が使われるようになりました。
生物学的製剤・JAK阻害薬とは、最新のバイオテクノロジー技術を駆使して開発された新しい薬で、関節リウマチの炎症や痛み・腫れ、そして骨や軟骨などの関節破壊を引き起こす原因となる物質を抑えることにより、その効果を発揮します。
この生物学的製剤・JAK阻害薬の登場により、関節リウマチの治療は大きく進歩しました。
現在、日本では9種類の生物学的製剤・5種類のJAK阻害薬が使われています。
これまでの抗リウマチ薬に比べ、生物学的製剤には非常に高い炎症抑制作用がありますが、投与中は特に肺炎や結核などの感染症に注意が必要になります。
生物学的製剤の治療を開始するにあたっては、その必要性、効果、安全性、費用に関して医師と十分に相談することが大切です。
関節の痛みや腫れは、年齢とともに起こる変形性関節症や変形性背椎症に多く見られますが、リウマチが隠れていることもあります。
リウマチは、早期診断・早期治療が重要です。少しでも気になる症状がございましたら、なるべく早くご相談ください。